帰依行く人々

帰依行く人々

プロローグ
自殺系サイトの急増と自殺系サイトを通じた集団自殺が社会問題になっていたが、統計上はこれらは一部の若者中心の傾向でしかなく、以前リストラによって挫折した40-50歳代の男性が自殺者の主要な部分を構成していた。これらはつまり、経済的に造られた自殺者であり、そのような意味からすると現代社会の中において予定調和的な結末を迎えた侘しい世代の代表者だったのである。



1 予兆

2010年4月25日、厚生労働省社会統計局に入って5年目の昇は、午後9時を過ぎても帰れないでいた。最初の計算結果が集計されたのは午後7時ごろであった。
よし、これで帰れるぞ。それにしても全国から集められてきた自殺者数の集計作業なんて、7時過ぎにはやるもんじゃない・・・
なんて、ブツブツ言いながらも、人の生き死にに関する統計調査は、なかなか醍醐味のある仕事だ、、と半ば趣味に近い感覚を味わっていた。
あれ、また間違ったのかなぁ、こんな数字が出るとは、オレももうボケが始まったのか?
昇がはじき出した数字は、上四半期つまり1~3月の3ヶ月間で11928人という数字であった。
自殺統計は先進諸国ではずいぶん前からとられている。わが国の結果も他国と同様、常に社会の景気に左右されていた。バブル経済がはじけてリストラが進んだ90年代後半から急増し、一時落ち着いて減少したが、その後また増加し始め2005年についに3万人を突破したが、その後は景気が回復の兆しを見せ始めたせいか、年金問題のめどがついたせいか、ほぼ横ばいであった。ところが今年の上四半期の結果を単純に4倍すると4万8千人に近い数字になる。間違いにしてはちょっと微妙な線だ。普通間違ったときは数倍いや一桁違ったりするものである。いやしかし間違いに違いない。いくつかの県がダブって入っているのではと、ワークシートの左端をチェックしていた。
結局、各県から集めた元データまですべてチェックしなおし、間違いがないことを確信してから昇は帰り支度を始めた。最初の計算が間違っていなかったことで昇はすこしホッとしていた。その数字の重みについては明日考えることにした。

課長、これ見てください。いつものように9時過ぎにやって来た課長を朝一番でつかまえて昇は報告した。
なんだ、これは、間違ってるんじゃないか?
あまりにも、予想道理の返答に昇はほくそ笑んでしまった。
なに笑ってんだおまえ!
いや、いえ、別にその・・・そういうだろうと思ってたらそのとおり言われたもので・・・
とにかく、もう一度やり直せ、元データに戻って。
あの、昨夜自分としても納得がいかなかったので、10時過ぎまでかかって3回以上チェックし直しましたから、間違いありません。元データが間違っていたらどうしようもありませんが・・
こんなこと部長に報告出来ないぞ、わけもわからず自殺者が急増するなんて。何か考えられる理由はないのか?
・・・とりあえず、県別で経年変化を調べて見ます。
それくらいしか、昇は思いつかなかったが、夕方になってでた結果は寒気のするようなであった。
ほとんどすべての都道府県で昨年に比べ急増していたのであった。たいていこのような場合たいてい、特定の理由でいくつかの県が急増していて、それが全体数を増加させていることが多いのだが、今回は違った。今のところ全国的な傾向であることがわかった。
この件はまだ発表段階ではないのは言うまでもないが、課長は部長と相談した結果、この件についてもう一人担当者をつけることになった。晶子は国立系大学の数学科の博士課程を修了したばかりの誰もが認める才女であるが、実はおっちょこちょいだといつも昇は思っていた。(笑)

7月28日、出勤中の昇と晶子の心拍数はいつもより10くらい増加していた。
オハヨ!
いつも明るい晶子は厚労省では5年も先輩の私にいつものようにタメ口をたたいていた。
いよいよ今日ね、新しい集計結果が出るの。どうかしら?
どーもこーも、やってみなけりゃわかんないじゃないかぁ・・・とブツブツ思いながら昇の口は別のことを言っていた。
確率論的には今回は減少している可能性のほうが高いと思う。
自分で言いながらも昇は論理的ではないなぁとわかっていた。
前回のこともあるので、上第2四半期の集計はいつもより一週間早く行われた。つまり、全都道府県に悪徳高利貸しのように高圧的に催促したわけである。こういうとき(のみ)、お上は強いのだ。
今日は朝一で作業に取り掛かったため午前中にはあらかた結果が出たのだが、晶子は昼食が喉を通らなかった
11時45分に出た結果は、上2四半期、15396人という、2005年の半年分の結果であった。
カレーうどんを喉に流し込んだ昇に、結局ヨーグルトしか食べれなかった晶子は「二人とも流動食ね」なんて空元気で言いながら午後の作業にとりかかった。二人とも久しぶりに真剣になっていた。
7時過ぎには持ち駒で可能な分析はほぼ終了していた。やはり、ほぼすべての都道府県で上第一四半期から増加していた。ほぼ、というのは3つの県では増加していなかったのである。北海道、山梨、長崎である。
翌朝、部長を交えて課長に詳細を報告した二人に下された支持は、「各都道府県の課長へ連絡し、各都道府県内での地域ごとの集計を3ヶ月ごとに詳細に実施して系時的な変動を調べよ」というものであった。

8月31日、各都道府県からの報告が出揃った。さすがに県内の地域ごとになると変動が激しいのは予想とおりであったが、急に増えたエリアが多い一方、あまり変化がなかったり、減少した地域もあるという結果であった。
9月1日付けで各都道府県にFAXで通達した。
「自殺者増加の原因について可能な限り、エリア別に調査し報告せよ。」

12月31日、事の重要性を認識した厚労省幹部からすでに何度も通達されていたとおり、12月31日5時の時点で各県の集計はFAXで厚労省へ報告された。結局47829人と前年度のおよそ1.5倍となっていた。


1月4日、厚労省の記者発表によると、自殺者が急増し2010年は前年度の1.5倍であり、経済状況は少しずつよい方向に向かったいたためか、
原因はまったく不明ということであった。


2 幽霊自殺系サイト

自殺系サイトに幽霊が!
2009年11月23日勤労感謝の日のコラムの見出しが昇の興味を引いた。
何、コレ?
読んでみると、自殺系サイトの管理者が自殺してしまい、幽霊化したサイトが増えている、、という内容であった。別に、ウエブ上に幽霊が出たわけではないと分かってホッとした昇は、ウエブ上の幽霊などとマジで考えた自分が気恥ずかしくて仕方がなかった。
まぁ、誰にも言わなかったからいいか、うぷっ・・
しかし気になるのは、管理者がいなくてもつまり主人が死んでしまってもその子供とも言えるホームページは生きつづけ、しかも
自殺系サイトの多くはチャットが併設されているため、ご主人様不在でありながら、そのホームページはまさしく生き続けているわけなのである。その記事を読んで薄ら寒い気を感じたのは昇だけではなかったはずである。晶子も同様に薄ら寒さを感じたし、多くの良識ある人々はそう感じたに違いない、そのように思わせる記事であった。

こんなとこで言うのもなんだけど、、、、、アタシもう・・・死にたい
オレもだよ
ボ・ク・モ・・デシ;
何で死にたいん?
なんだか最近よく眠れなくって、ツライ、だって5時ごろ寝ても7時過ぎには目が覚めちゃうんだもん・・以前はそういう日は昼過ぎ間で寝ていたし、、夢いっぱい見てたし・・最近眠れないから当たり前かもしれないけど、夢見てない。短い睡眠でも見るときは見るよね夢って
でもやっぱりこれでもかぁ~ってくらいいっぱい寝たときのほうが、夢はたくさん見る。Hな夢はまた別だけどね。。
ところで、ここの管理人最近出てこないね、しばらく更新もしてないし、自殺するとか言ってなかったよねぇ?
一度誘ったら断られたw(爆)
管理人いなくなったら困るから、ヤ・メ・テ!
あい(笑)
あのぉ、、、別のサイトで、ここの管理人自殺したって話になってるんだけど・・
え、マジすかぁ~~?
やた~~成仏!
成就だろがwww
話戻すけど、夢見て感動して目覚めることあるよね?
もう、数年そういうのないっス
そそ、そういう時って目覚めてすごく気持ちいいっていうか、、
濡れてる?
バカ、うれしいのだ

とにかく、一言で言えば感動しているんだ、何に感動しているのかよく分からないことのほうが多いんだけどね。



3 やせの増加



4 不眠症ウイルス


眠れないと死にたくなる


人口減少

伝染
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# by byoai | 2005-10-26 12:42 | うにょろ ^。^

夢前の記憶

夢前の記憶 夢前の道

序章
いつもより眩しい光にトシヲは目覚めた。空気の色が違うのは眩しい陽光のせいだな・・あれ、シーツの色がモスグリーンだ。なるほど空気の色が違うわけだ。ん、シーツこんな色だったっけ・・
トシオの脳は何とはない不安をいだき始めながらも、まだ十分覚醒してなかった。



そうしてトシオは何度も何度も死を繰り返した。死は通常「人生終了」を意味するので、これを繰り返すというのは明らかに矛盾している。にもかかわらずトシオは何度も死んだ。そう、少なくとも繰り返し死を体験したのであった。


目覚め
その日が訪れた。覚醒の日である。
その朝は目覚めると妙に暗かった。いや暗いのは朝がまだ来てくれていなかったせいだった。朝はトシオに遅刻したのだ。時間がずれている気がした。空気は一段と濁っていた。




踏み切りに飛び込むのにトシオは何の躊躇いもなかった。少しも怖いとは思わなかった。その瞬間、トシオはかけがいのない小さな命を繋いでいく自信に満ち溢れていた。トシオは最速の瞬発力をもって突っ走り、陸上選手がハードルを飛び越えるように軽々と踏切りの遮断機を飛び越えて3本目のレールへと一瞬でたどり着いたはずなのだが、それを見ていた者は一様にスローモーションのように感じていた。危機的な状況ではヒトは限界を超えたクロックアップをするものである。オバークロックになると通常クロック数の周囲がスローモーションになるって寸法だ。



車両とレールと枕木の間で揉まれながらもトシオは痛みとはかけ離れた快感の中に吸い込まれていった。トシオの脳はしだいに透明になりながらも幸せであり感謝の気持ちで溢れていた。
もう二度と夢を見ることはなかった。
もうその必要はなかった。


エピローグ

ねえママ
どうしたの?
電車に轢かれたらどうなるの?
え?
鉄道自殺したって・・
え、、何の話?
新聞に書いてあった・・・
へえ、新聞読むようになったんだ、エライね。
だから、どうなるの?
そりゃ、、、死ぬんじゃない;
だから、どんなふうに?
ひどい時は、ミンチみたいになって、、跡形も残らないって聞いたことあるけど・・
ww
体はレールと枕木の間で車両に引きずられながらバラバラに解体されていくので、スピードが出ていたら、木端微塵に砕け散って・・・・・
何時間もかけて箸で拾っていくそうよ。
自殺するのは勝手だけど、何だかちょっと迷惑だよね。
そうよ、だからダメなの、自殺は・・・
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# by byoai | 2005-05-12 02:38 | うにょろ ^。^

だから、このまま息を止めさせて!

  今が一番幸せだから・・・
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# by byoai | 2004-12-07 19:36 | うにょろ ^。^

無条件の絶対的猫愛  まえがき

 この表題、実は今朝、夢で思いついた。明け方の比較的リアルな夢だったのだけど、ずいぶん気に入ったので忘れないように、何度も何度も夢の中で繰り返していた。それでもやはり忘れかけていたこの表題を、ようやく職場で思い出し、Hyper Threading仕様のPentium4搭載のDellにメモした。わざわざPCのメモに書き込むくらいだから、相当気に入ったか小説でも書こうとしているのやら・・・実は本文の出だしまで考えていたのだが、それはまあ後でなんとかなると思って放置することにした。
 帰宅してからやはりこの表題は「なかなかいい、つくづく妻をよく表現した文言である」と想った。そう想いながらも、朽ち果てた自転車の処分の問題で妻とつまらない口げんかをしてしまったが、そのあと思いついた名案がブログ(Web Log)の作成であった。そう、ブログであれば、ネットに繋がったパソコンさえあれば、いつでもどこでも書けるではないか。自分のパソコンさえ要らないという真にフリーな環境である。フリーとはもちろんタダという意味ではなく(もちろんこのブログはタダだけど・・)、文章を書くにあたりこれまで制約となっていた「さまざまな問題」から自由になれるという意味である。「さまざまな問題」とは、書きとどめるための紙であり、ノートであり、特定のパソコンのことである。そういう妙な経緯で始まるわけだが、そう、「無条件の絶対的猫愛」とは無条件に猫を愛する私の妻のことである。私の妻をこれほど的確に表現した文言はない。
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# by byoai | 2004-10-27 23:39 | 猫愛